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寺澤暢紘様、及び読者の皆様へ

 平素より本誌をご愛読していただき、ありがとうございます。

 本誌で二〇一七年一月号から一八年一二月号まで、二二回にわたって連載されました「神を捨て、神になった男 確定死刑囚 袴田巖」及びWEB世界「はかまたさん」第二回(二〇一八年四月六日号)(いずれも青柳雄介著)におきまして、その連載文中の六箇所に、袴田事件の支援活動をされている寺澤暢紘氏の未公表手記(「神の国に奪われた言葉」)及び同氏と支援者のメールの内容が無断で利用されており、出典の明記もなく、袴田さんの実像に誤解を与えるものであるとのご指摘を、連載終了とほぼ同時となる二〇一八年一一月、寺澤氏より頂きました。

 編集部におきまして精査しましたところ、連載の第一回(二〇一七年一月号)二二〇〜二二一頁、第九回(二〇一七年一一月号)一七七頁、第一〇回(二〇一七年一二月号)一六八〜一六九頁、第一二回(二〇一八年二月号)一九三頁、第二一回(二〇一八年一一月号)二四三頁、WEB世界「はかまたさん」第二回に、手記等の記述に酷似した箇所が存在することが確認されました。

 青柳氏に当編集部が経過を確認したところ、未公表手記等の利用については認めつつ、連載開始前に口頭で寺澤氏の許諾を得たこと、掲載誌は毎号送付していたこと、寺澤氏からは連載期間中、頻繁に取材の協力を受けていたこと、手記等の利用についての抗議は連載終了段階まで一切なかったこと等の説明がありました。

 寺澤氏によれば、手記等の利用を青柳氏に対して許諾した事実はなく、手記の出版の相談を青柳氏に依頼した際、手記を手交したにすぎず、青柳氏の著作として世界誌上等で掲載されるとは思っていなかったこと、また、掲載誌の一部については送付を受けていたが、掲載内容を詳細に確認していなかったことから手記及びメールからの無断利用に気づくのに時間がかかったものの、気づいた後には直ちに青柳氏と当編集部に対して申し入れを行ない、抗議及び謝罪説明を求めたこと、青柳氏は寺澤氏に対して無断利用を認め謝罪する内容の手紙を送付しているとのことでした。

 このように、未公表手記等の利用にあたっての事前許諾の有無という核心的部分について、当事者の主張は一致していませんが、当編集部としては、こうした著作権法上の問題の起きる余地のないよう記録の残る形で許諾を得るべきであり、また記事として利用する際には出典等を明記すべきであったと考えます。こうしたことから、WEB世界の「はかまたさん」は第二回の該当箇所は削除し、連載を休止しています。

 当編集部において、コメントの由来や取材経過の確認を怠ったことにつき、その責任を自覚するとともに、解決に多くの時間を要したこともあわせ、寺澤様および読者の皆様にお詫びを申し上げます。

 今後、当編集部では、取材源についての確認や資料の利用にあたっての権利関係の確認等、同様の問題が起こらないよう最大限の努力を傾けていく所存です。
 
本誌編集長 熊谷伸一郎

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