「WEB世界」について
ジャーナリズムの劣化が指摘されています。実際、新聞やテレビのニュースでは、メディア自身の自己規制=「忖度」などにより、民主主義にとって必要な情報がブロックされ、市民に届きにくくなっています。一方、日々、膨大な量の情報が流れるネット空間には、ファクトに基づいたかどうか怪しいものや、明らかに意図的な「フェイクニュース」を含め、さまざまな情報が混在しています。いま何が起こっているのか、何が真実なのかを見極めにくいメディア状況になっています。
現代人は、この情報空間の中で、しばしば溺れそうになっているのではないでしょうか。WEB版『世界』は、そのような人々に向けての「羅針盤」の役割を果たすべく、70年以上にわたりプリント版で培ってきた確かなジャーナリズムをネット上で体現したいと考え、このたびWEB版を開設いたしました。
いま話題・問題になっているテーマを活写するルポルタージュ、時代の基層で新たな底流となりつつある動きを嗅ぎとる批評、現在を深く理解するためのアーカイブの紹介、さらにリアルタイムで起きている事象の読み解きなどを掲載していきます。
また、編集部では、読者の方々とつながり、双方向の交流・意見交換の場となるような新しい社会的ネットワークとして、この場を活用していきたいと思っています。イベントや講演会のお知らせも順次アップしていきます。
『世界』というメディアを、ネットを通じて初めて知ったという方もいらっしゃるでしょう。私たち編集部も、新しい「読者」との出会いを楽しみにしています。すでに月刊誌『世界』に親しんでくださっている方々には、プリント版と連動させた立体的な仕掛けにより、さらに手ごたえを感じていただけると思います。
プリント版『世界』ともども、WEB版『世界』にどうぞご期待ください。
2018年3月13日
『世界』編集長 清宮美稚子
『世界』編集長 清宮美稚子
『世界』とは――
『世界』は、良質な情報と深い学識に支えられた評論によって、戦後史を切り拓いてきた雑誌です。創刊以来70年余、日本唯一のクオリティマガジンとして読者の圧倒的な信頼を確立しています。とりあげるテーマは、政治、経済、安全保障、社会、教育、文化など多様ですが、エネルギー、地域、労働・雇用、医療・福祉、農と食などの分野の記事も掲載しています。 もっとも良質で、もっとも迫力ある雑誌をめざします。
毎月8日発売(本体 850円+税)
http://iwnm.jp/sekai