〈特別公開〉旭川いじめ自殺と「いじめ後遺症」(斎藤環)
※『世界』2024年10月号収録の記事を特別公開します。
はじめに
2021年2月、旭川市立中学校2年生(当時)であった廣瀬爽彩(さあや)さんが、厳冬の最中にもかかわらず軽装のまま家を出て近所の公園で凍死し、およそ1ヵ月後に遺体で発見されるという痛ましい事件が起きた。彼女の置かれた状況から、自殺であったと推定されている。何よりもまず、廣瀬爽彩さんのご冥福を心よりお祈りしたい。
この事件を受けて、市教委の第三者委員会によるいじめ重大事態の調査がなされ、2022年9月、調査報告書が提出された。しかしこの報告書では、いじめと自殺との因果関係は「不明」とされていた。今津寛介市長は、遺族が調査報告書の内容に不満を抱いており、再調査を強く求めていることを踏まえ、あらたに旭川市いじめ問題再調査委員会(以下「同委員会」)を設置した。同委員会は教育評論家の尾木直樹氏を委員長として、弁護士、心理学者、精神科医ら5名により構成された。同委員会は2022年12月から再調査を開始し、1年半余りの調査期間を経て、2024年6月30日、今津市長に調査結果を報告し、記者会見を開いてその概要の説明を行った。
筆者は精神科医として同委員会の調査と報告書の作成に関わり、主にいじめと自殺の因果関係について、精神医学的視点から詳細な検討を行った。その結果、市教委の第三者委員会の結論とは異なり、いじめ被害と自殺との間にあきらかな因果関係を認めるという結論となった。本稿は、そうした因果関係を認めるに至った経緯と、いじめと自殺の関係に関する最新の研究成果を紹介し、こうした悲劇を繰り返さないために何ができるかについての提言を試みるものである。
なお、諸般の事情により報告書そのものの提出は本稿執筆時点ではまだなされていないため、未公表の事実については本稿では触れない。事実関係については、すでに公表されている第三者委員会の報告書の記述や、報道された事実(ただし信憑性が高いもの)のみに基づいて記述を行うこととする。
いじめに関する事実関係
同委員会の調査の結果、爽彩さんは2019年4月に中学に入学して以降、クラス内で孤立し、屈辱的な渾名をつけられる、ジュースをおごらされるなど、7件ものいじめを受けていたことがわかった。これらのうち、自殺の要因としてもっとも重大だったのは、自慰行為の強要やわいせつ画像の拡散などの〝性的いじめ〟を受けたことだった。こうしたいじめにより爽彩さんは川に入水する自殺未遂をし、その後精神科病院で入院治療を受けることとなった。事件直後に中学は転校したものの不登校となり、そのままひきこもりがちな生活が続いていた。
いじめと自殺の因果関係を考えるに当たって、もう一つの重要な要因があった。爽彩さんがすでに自閉スペクトラム症(ASD)として療育を受けていたという事実である。ASDとしての特性が、いじめ被害にも大きな影響をもたらしており、因果関係を考える上でも重要な要素となっている。この点については後述する。
先述した通り、先の第三者委員会では、いじめと自殺との因果関係は不明とされていた。その理由の一つが、いじめ被害から自殺決行までの時間差であった。いじめ被害が決定的となったのが2019年6月であり、自殺を決行したのがおよそ20ヵ月後の2021年2月だったのは事実である。直接の因果関係を想定するには間隔が空きすぎているという見解も、一概には退けられない。しかし、ここには重大な誤解がある。自殺の原因となるようなトラブルや出来事は、自殺の直前に起きていなければならないという誤解である。いじめから心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症して自殺に至るという経緯を想定するなら、この時間差はむしろ自然なものとも考えられるのである。
いじめとPTSDの因果関係
いじめ被害の経験は、「後遺症」ともいうべき精神症状をはじめとして、さまざまに負の影響を生涯にわたりもたらすリスクがある。しかし残念ながら、いじめ被害を経験した児童生徒の多くがそのままひきこもってしまい、なかなか声を上げられないため、後遺症の存在も見えにくいものになってしまうことが多い。この種の長期的な「後遺症」についての先行研究が、最近までほとんど存在しなかったのはこのためでもあると思われる。
詳述は避けるが、筆者は診療記録などを精査した結果、爽彩さんはいじめ被害のトラウマに起因するPTSDに罹患していたと判断した。先の第三者委員会でもその可能性は示唆されていたが、「罹患していた可能性は否定できない」という記述であり、自殺の原因としては「うつ病」が挙げられていた。しかし筆者は「うつ病」診断については否定的であり、自殺の主因はPTSDであったと考えている。
ひきこもり事例において、いじめ被害によりPTSDを発症した事例は多数ある(斎藤、2014)。重篤な事例では、いじめ被害から10年以上を経ていても、再体験(いじめられる悪夢、いじめシーンのフラッシュバック)、回避(ひきこもり、学生集団への恐怖)、過覚醒(不眠、刺激への過剰反応)などの症状がみられる。こうした症状がしばしば攻撃性や家庭内暴力をもたらし、著しく低下した自己価値感情は自傷、希死念慮、自殺企図につながりやすい。
いじめとPTSDの関係については、いくつかの先行研究がある。とりわけ注目されるのは、学生時代のいじめ体験が、成人後にも影響を及ぼすことを検証した研究である。Allisonらは、オーストラリアの成人2833例に面接調査を行い、学生時代のいじめ被害体験が、成人して以降の健康水準を心身ともに著しく悪化させると報告している(Allison, 2009)。また、Ateahらは、アメリカとカナダの大学生1217名を対象とした調査にもとづき、子ども時代のいじめが現在のPTSDをもたらしていることを報告している(Ateah & Cohen, 2009)。
いじめの後遺症に関しては、2014年に滝沢らによって決定的ともいうべき研究成果が発表されている(Takizawa et al, 2014)。本研究は、いじめ被害の50年間にわたる長期的な影響をコホート研究(同一の性質をもつ集団の追跡調査)としてまとめたものである。イギリスには遺伝学分野ではよく知られた「1958年出生コホート」という均質な集団があり、さまざまな研究分野に寄与している。このコホートのうち、7歳から11歳までの間にいじめ被害を経験した(と両親から申告のあった)事例7771名に対して追跡調査がなされた。その結果、子ども時代に頻回にいじめ被害にあうと、その後40年あまりを経ても、社会的、経済的、あるいは健康面においても高いリスクを抱えることがわかった。メンタルヘルスに関しては、被害を受けなかった群に比べ、受けた群ではうつ病のオッズ比(かかりやすさ)が1.95、不安障害のオッズ比が1.65、自殺傾向のオッズ比が2.21という結果となっていた。
以上のように、いじめ被害は、被害を受けて長期間を経た後にも、うつ病やPTSDなどの発症率を高め、自殺リスクを高める可能性が高い。それゆえ爽彩さんの自殺が、いじめの直後ではなく、いじめ被害をうけてから約20ヵ月後に起きていることを理由に、いじめ被害の影響を低く見積もることは正当な判断とは言えないのである。
被害後の爽彩さんの状態、発言、SNS上の書き込みなどからうかがい知れることは、いじめ被害の影響が時とともに軽減するどころか、次第に悪化していった可能性である。いじめ被害の直接的な影響に加え、PTSDに罹患した苦痛ゆえに希死念慮を抱くに至ったと推測された。
次に、いじめ被害と自殺との因果関係について検討してみたい。この分野については、日本における研究はほとんど進展がみられていない。しかし海外の研究においては、いじめ被害が自殺行動の重要なリスク要因である点について頑健なエビデンスが蓄積されつつあり、疫学的な因果関係があるとする指摘もある(Moore, 2015)。例えば、いじめ被害の経験が、自殺傾向を含む若年成人のメンタルヘルスにおいて、幼児期の不適切な養育と同等かそれ以上の悪影響を及ぼしているという指摘がある(Lereya, 2016)。あるいは双生児研究において、幼少期のいじめ被害が成人期の自殺念慮に対して、遺伝要因や共有環境要因で説明できない影響があるとする研究もある(Silberg, 2016)。
34報の文献に対してメタ解析(過去に行われた複数の研究結果を統計的に統合し、より信頼性の高い結論を示す手法のこと)を行い、サイバーいじめの被害と加害は、精神病的体験の媒介によって自殺念慮を有意に増加させるとしている(van Geel, 2014)。Holtらは、いじめに関する47報の研究についてメタ解析の手法を用いて検討を行い、いじめへのどんな形式の関与(被害、加害、その双方など)も自殺念慮や自殺行動と関連しているとしている(Holt, 2015)。
以上より、ネットいじめを含むいじめ被害は被害者のその後の生活に長期間にわたってPTSDをはじめとするネガティブな影響をもたらし、それが時に自殺念慮や自殺既遂につながる可能性が高いと考えられる。
神経発達症(発達障害)における影響
爽彩さんがASDとして療育を受けていたことは先述の通りだが、一般にASDもしくはASD傾向のある児童生徒は、定型発達の児童生徒よりもいじめ被害にあうリスクが高いと言われている。例えば村中は、ASDのある子どもの社会的コミュニケーションの苦手さが対人トラブルの発端になりうることを指摘している(村中、2019)。一柳はASD傾向のある子どもが周囲とずれた行動や発言をするときと集団やグループで活動するときに、周囲の子どもたちがASD傾向のある子どもにからかい、悪口、のけ者といったいじめにつながる行動をとる可能性を指摘している(一柳、2021)。
また、ASD特性を持つ児童生徒にいじめが及ぼす影響にも特有のものがあり、その多くが爽彩さんの場合にも該当する。たとえば杉山の指摘する「タイムスリップ現象」とは、神経発達症の当事者が、過去の出来事を今の出来事であるかのように思い出す現象である(杉山、1994)。これはPTSDのフラッシュバックとも類似した現象である。いじめ被害を経験したASDの子どもにタイムスリップ現象が起こると、些細なきっかけから過去の体験をありありと想起してパニックになったり、周囲の人に暴言を吐いてしまったりすることもあるとされる。爽彩さんが繰り返し経験したパニックや衝動的な行為の少なくとも一部は、こうしたタイムスリップ現象に起因していた可能性がある。
Holdenらは、ロンドン南部で児童・思春期精神保健サービスを受けている13―18歳のASD青少年の臨床記録を調査し、いじめと自殺の関係を検討した。調査開始の最初の月に報告されたいじめの経験は、追跡期間中の自殺リスクの増加と関連していた。さらに、女性であること、精神病や感情障害の診断、および高い知的能力などが自殺リスクを高める要因となっていた(Holden, 2020)。
Huらは高機能自閉スペクトラム症を持つ219名の青少年を対象に、ネットいじめの被害者及び加害者となることと、抑うつ、不安、自殺念慮との関連を検討し、被害者になることは抑うつ、不安、自殺念慮と有意に関連していることを報告している(Hu, 2019)。
以上より、爽彩さんはASDの特性を持つことによっていじめ被害にあうリスクが高かったこと、いじめ被害がトラウマ的な経験としてフラッシュバックやタイムスリップ現象につながっていた可能性が指摘できる。
本件におけるいじめと自殺の因果関係について
爽彩さんは、2019年6月22日の川への入水による自殺未遂以降、実生活でもSNS上でも、頻回に「死にたい」などと希死念慮を口にしていた。「自殺企図」と「希死念慮を口にする」ことは、自殺の予測因子としてきわめて重要なものである(日本精神神経学会精神保健に関する委員会、2013)。最初の自殺企図は、爽彩さんが入水を試みたウッペツ川沿いの公園での性的いじめ被害の直後になされており、この直後に爽彩さんの電話を受けた教師に対しても「死にたい」「生きていたくない」と訴えており、いじめ被害と希死念慮、および自殺企図との因果関係は明らかである。
以上の検討をまとめると、次の通りとなる。
爽彩さんは性的被害をともなういじめ被害によって、PTSDに罹患しており、その影響は著しく長期に及んでいた。2021年2月の自殺に至るまで、PTSDの症状は悪化こそすれ軽減することはなかった。
爽彩さんにはもともとASDの特性があり、性的被害を含むいじめ被害にあうリスクが高かった。先述のPTSDは、ASDにトラウマが加わり、二次障害として発症したと考えられる。また、ASDゆえにいじめ被害のトラウマがフラッシュバックやタイムスリップ現象につながりやすく、その症状も長期にわたって繰り返されていた。
PTSD症状とも重なるが、いじめ被害を受けた後も長期にわたって恐怖感情、自責感、自尊感情の著しい低下、孤立無援感などが続いていた。もちろん常に母親の支えはあり、通院治療も続けてはいたが、残念ながらそうしたサポートをもってしても、爽彩さんの苦痛や孤立感を完全に癒やすには至らなかった。
以上より、現時点で確実に言いうることは、いじめ被害が存在しなければ、爽彩さんの自殺は起こらなかった、ということである。そうした意味で同委員会は、いじめ被害が爽彩さんの自殺の「主たる原因」であったと結論づけた。
精神医学的・心理学的に望ましい対応とは
繰り返し述べてきたように、いじめ被害はしばしば、長期間にわたって被害者の人生に影を落とす。「いじめ自殺」という言葉は、主としていじめ被害の直後に起きた自殺にのみ使用されがちだが、実際には被害から数年を経て起きた自殺事例も少なくない。まずは、いじめ被害がいかに深刻なものであり、いかに長期化しやすいかについて、学校や教育委員会は十分に理解しておく必要がある。
いじめが認定されて第一になされるべきは、被害者の救済と尊厳の回復、ならびに安全と安心の確保である。精神医学的な視点から言えば、それは加害者への指導や配慮よりも優先されるべきである。まして、被害を受けた児童生徒の側の責任を問うたり、被害者側にクラス替えや転校をすすめるなどの負担を負わせることはきわめて侵襲的な対応であり、厳に慎むべきである。
対応の基本は、被害児童生徒を中心に据えた合理的配慮と対応である。徹底して被害児童生徒に寄り添うという姿勢が、被害児童生徒の毀損された自尊感情を修復する上で重要な意味を持つ。そのうえで、トラウマの程度によっては専門家による治療も検討されるべきであろう。
次いで、加害者対応についての提言に移る。
いじめ加害者について「いかに指導すべきか」という議論は珍しくないが、被害者の回復に照準を合わせた加害者対策に関する文献は少ない。しかし爽彩さんの場合は、いじめ被害と同時に性被害でもあり、性被害における加害者対策については多くの研究がある。ここでは、トラウマ臨床の第一人者であるジュディス・L・ハーマンの著作『真実と修復』(ハーマン、2024)に依拠しつつ加害者対策について述べ、いじめ対策のための提言としたい。
ハーマンによれば「暴力を生き延びた人の多くが心からの謝罪を望んでいる。加害者が罪を認め、その責任を取り、言い訳をせずに改心し、償いのために何だってすると表明することを求めている」という。本当の謝罪とは「加害者が道徳を知り、新しく生まれ変わって、そして同じ罪を二度と犯さないと約束すること」であるという。
この点を踏まえ、基本的な加害者対応の方針は次の通りである。
まず、被害を受けた児童生徒が安心できるために何が可能かを検討する。被害児童生徒が精神的ダメージのために登校困難となっているような場合には、加害児童生徒と接触する機会を減らす意味で、加害児童生徒の出席停止やクラス替えなどの措置を検討するべきである。
事実関係を調査した上で、加害があったと認められる場合は、加害児童生徒自らに加害の事実を認めさせ、そのどこが問題であったかを加害児童生徒の言葉で、口頭で説明させ、第1回目の謝罪をさせる。その際、いじめ防止対策推進法第22条が定める「いじめの防止等の対策のための組織」がリードする中、複数の教員や被害児童生徒の家族が立ち会うことが望ましい。説明と謝罪は対面でなされることを第一に考えるが、被害児童生徒が恐怖や不安を訴える場合は、録画やリモートでもよい。
被害児童生徒の精神状態が安定し、対面が可能になった段階で、被害児童生徒の家族や複数の教員立ち会いのもとで、加害児童生徒に第2回目の謝罪をさせる。その際、いじめを繰り返さないために自分でどんな努力や工夫をしたかについて説明させる。
以上の方針をいじめ対策の基本として明文化し、安易な「加害者指導」などで代替しないことが重要である。
以上の対応によって加害児童生徒も傷つく可能性があり、また加害者の背景にも別のいじめや虐待がひそんでいる場合がある。そうした点に十分に配慮し、懲罰的な態度ではなく、可能な限り対話的に対応がなされることがのぞましい。教育実践上は、加害児童生徒がこれまでの「人をいじめて楽しむような自分」から脱却して、人権を大切にし、人に共感できるような「新しい自分」づくりに挑戦するよう促し、支援する姿勢を持つことが大切である。
参考文献
(1)Allison S. et al., 2009, Does school bullying affect adult health? Population survey of health-related quality of life and past victimization. The Australian And New Zealand Journal Of Psychiatry, 43 (12)
(2)Ateah, C., Cohen, I., 2009, School Victimization and Bullying Experiences : Cross-National Comparisons Between Canada and the United States. Currents : New Scholarship in the Human Services, 8 (1)
(3)ハーマン、ジュディス・L、阿部大樹訳、2024、『真実と修復――暴力被害者にとっての謝罪・補償・再発防止策』みすず書房
(4)Holden, R., Mueller, J. et al., 2020, Investigating Bullying as a Predictor of Suicidality in a Clinical Sample of Adolescents with Autism Spectrum Disorder. Autism research, 13 (6)
(5)Holt, MK., Vivolo-Kantor, AM. et al., 2015, Bullying and suicidal ideation and behaviors : A meta-analysis. Pediatrics, 135 (2)
(6)Hu, HF., Liu, TL. et al., 2019, Cyberbullying Victimization and Perpetration in Adolescents with High-Functioning Autism Spectrum Disorder : Correlations with Depression, Anxiety, and Suicidality. Journal of Autism and Developmental Disorders, 49
(7)一柳貴博、2021、「周囲児は自閉スペクトラム症が疑われる児童にどのように関わっているのか――小学校教諭から見た周囲児の行動メカニズム」『教育心理学研究』69(1)
(8)Kim, YS., Leventhal, B., 2008, Bullying and suicide : A review. International Journal of Adolescent Medicine and Health, 20 (2)
(9)Klomek, AB., Kleinman, M. et al., 2011, High school bullying as a risk for later depression and suicidality. Suicide and Life-Threatening Behavior, 41 (5)
(10)Lereya, ST., Copeland, WE. et al., 2015, Adult mental health consequences of peer bullying and maltreatment in childhood : two cohorts in two countries. Lancet Psychiatry, 2 (6)
(11)Moore, SE., Norman, RE. et al., 2017, Consequences of bullying victimization in childhood and adolescence : A systematic review and meta-analysis. World Journal of Psychiatry, 7 (1)
(12)村中智彦、2019、「自閉症スペクトラム障害といじめ行動――応用行動分析学からみた理解と予防支援」『日本学校心理士会年報』12
(13)日本精神神経学会精神保健に関する委員会編著、2013、『日常臨床における自殺予防の手引き 平成25年3月版』社団法人日本精神神経学会
(14)Richa, S., Fahed, M. et al., 2014, Suicide in autism spectrum disorders. Archives of Suicide Research, 18 (4)
(15)斎藤環、2014、「いじめ被害とPTSD」『精神科治療学』29(5)
(16)Silberg, JL., Copeland, W. et al., 2016, Psychiatric outcomes of bullying victimization : a study of discordant monozygotic twins. Psychological Medicine, 46 (9)
(17)杉山登志郎、1994、「自閉症にみられる特異な記憶想起現象――自閉症のtime slip現象」『精神神経学雑誌』96(4)
(18)Takizawa, R. et al., 2014, Adult Health Outcomes of Childhood Bullying Victimization : Evidence from a Five-Decade Longitudinal British Birth Cohort. American Journal of Psychiatry, 171
(19)van Geel, M., Vedder, P., 2014, Relationship between peer victimization, cyberbullying, and suicide in children and adolescents : A meta-analysis. JAMA Pediatrics, 168 (5)
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○アムネスティ通信
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○編集後記